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人工股関節置換術

変形性股関節症とは

股関節は寛骨臼と呼ばれる骨盤のくぼみと大腿骨骨頭と呼ばれるまるい半球の部分より構成されております。

骨盤のくぼみが浅い(寛骨臼形成不全)や大腿骨頭がまるくないような状態の場合があり年齢が上がるとともに軟骨がすり減ったり骨棘と呼ばれる余分な骨が形成されたりして股関節が曲がりにくくなったり歩行時痛みを感じるようになったりします。

変形性股関節症の治療方法

日本人の場合寛骨臼形成不全の割合が高いのが特徴です。また家族性も確認されております。運動療法などの保存的加療も有効ですが変形性膝関節症とくらべると保存的加療の効果は限定的です。

人工股関節置換術の成績が良好でかつ安定してきており患者満足度が高く、股関節痛等で日常生活に制限が出てきている方には手術がお勧めされます。

人工股関節置換術について

当院での人工股関節置換術の手術件数は年間150件近くに上り東海地区においては有数の手術件数が多い施設となっております。

人工股関節術後は股関節が改善するため歩行機能など股関節機能は劇的に改善いたします。

当院での人工股関節置換術の術後3ヵ月の時点で90%以上の方が満足と答えられております。術後1年をかけて徐々に股関節機能も改善していき満足度はさらに向上します。

手術時間について

術者が手術をしている時間は約1時間半から2時間半程度です。
しかしながら麻酔や消毒等準備、術後レントゲンでの確認等に時間がかかりますので部屋を出てからもどるまでには2時間半から3時間ほどかかります。

約300~600㏄程度の術中出血が予想されます。
800㏄の自己血を術前に貯血しております。

両側を同日にされる方においては、手術時間は約3~5時間、準備等の時間は2時間ほどかかります。お部屋を出て戻ってくるまでには5~7時間ほどかかります。

麻酔について

全身麻酔と腰椎麻酔を用いて行います。腰椎麻酔の効果として術後も半日程度は痛みがなく患者さんに優しい麻酔です。

時に腰椎麻酔の合併症で一時的な頭痛が生じることがありますが非常に細い針でおこなっておりますのでその確率はかなり低いです。

人工関節の材料について

人工関節の材料は金属・ポリエチレン(プラスチックの一種)・セラミックスです。
人工関節によく使われる金属としてはコバルトクロム合金、チタン合金、ステンレススチールなどがあります。骨セメントを使用する方のインプラントにはコバルトクロム合金やステンレススチールが使用されているケースが多いです。チタン合金製の骨セメント用インプラントもあります。骨セメントを用いないセメントレスインプラントの場合はチタン合金製が多いです。チタンは生体親和性が高いためインプラントと骨との直接的な結合に適しています。

歯科用インプラントの骨に埋め込まれる金属もチタン製であることが多いようです。チタン製のインプラントはMRI検査にも適していますが、その他の金属でも脳や脊椎など他の部位のMRI検査には問題はありません。チタンは比較的軽いため(鉄の約6割)チタン合金製インプラントはコバルトクロム合金製インプラントやステンレススチール製インプラントより軽いです。しかしながら重い方のインプラントを用いたからといって術後にその重さの違いを感じるとることはないようです。

使用する薬について

術後は腫脹、疼痛のため鎮痛剤の使用が早期回復に有用です。
高齢の女性は骨が弱くなり骨折やインプラントの弛みのリスクが高まります。
骨粗鬆薬の投与でインプラントの弛みやインプラント周囲骨折の危険性を減らしましょう。

人工股関節置換術の限界

手術前に股関節の曲がりや開きが悪かった方は術後も股関節の曲がりや開きに制限が生じることがあり、爪切りやしゃがみ込みなどの動作が困難なことがあります。

手術後の生活について

約1ヵ月間をかけ少しずつ良くなります。術直後は一時的に腫れることがあります。皮膚の色も内出血のため出血斑が広い範囲にでることがあります。これは3週間ほどで消えます。

一般的に事務職であれば手術後1ヵ月程度で仕事に復帰できると思われます。軽作業であれば約2ヵ月、重労働であれば約3ヵ月程度の術後の休業をお勧めしております。

入院期間について

入院期間は術後、約3週間程度です。回復具合や合併症等により多少の入院期間の変動があります。両側同日例においても術後入院期間は4週間程度です。

経過観察について

術後1年以後も人工関節の弛み等不具合を観察するため半年から1年の経過観察が必要です。最近の人工股関節手術の成績は向上しておりますが20年で約20%程度の再手術例が報告されております。人工関節の弛み、骨溶解などはX線やCT検査をしないと診断できません。

リハビリについて

術前に当院リハビリテーション課で詳細な股関節機能の評価を行います。術後の回復具合を評価する上で術前の状態を把握し記録しておくことは重要な項目となっております。

術後リハビリ通院は股関節の術後の状況を把握するうえでも重要ですが股関節機能の回復においては日常生活での活動が重要でウォーキングや階段昇降を十分行うことで自然と徐々に良くなっていきます。

入浴について

一般的に創の問題がなければシャワーは可能で、浴槽への入浴は術後3ヵ月あたりから問題ありません。

MRI

術後MRIは可能です。
他の医療機関で尋ねられた場合は執刀医からMRI撮影に関して人工関節は問題ないと言われたことをお伝え頂いて結構です。

自動車の運転について

術後の経過や個人の能力により自動車の運転時期は異なります。車の運転は自己責任ですが、車間距離をあけて注意して運転しましょう。また、保険会社への電話確認をおすすめします。(保険会社の約款にケガや手術後に運転して事故を起こした場合、補償をしかねる事案があることが明記されていることがあります)

ご確認事項について

合併症について

人工関節置換術後インプラント周囲感染(0.5%未満) 人工関節は感染に弱く治療に難渋する場合があります。

静脈血栓塞栓症(0.1%未満) 死亡する可能性がある合併症です。水分の摂取、適度な下肢の運動、歩行にこころがけてください。

術後股関節脱臼(0.5%程度) 術後3ヵ月以内が脱臼に関して要注意の時期です。脱臼肢位はとらないように注意しましょう。
理学療法士から脱臼肢位については指導があります。術後3ヵ月以降は脱臼のリスクは軽減します。

神経麻痺(0.5%未満) 坐骨神経麻痺、大腿神経麻痺の発生の可能性があります。

術中骨折(0.5%未満) 追加手術が必要な可能性があります。

インプラントの弛み 年数の経過と共にリスクはやや上昇します。

インプラントの破損 非常にまれです。

皮膚トラブル まれです。

金属アレルギーについて

金属アレルギーの報告はありますが非常にまれです。発生率は0.1%以下です。
著しい金属アレルギーのある方は専門医(皮膚科)に紹介し精査して頂きますのでお申し出ください。

深部静脈血栓症について

深部静脈血栓症の既往のある方は、術後静脈血栓塞栓症のリスクが最も高いグループに属しますのであらかじめお申し出ください。

鎮痛剤の使用

術後は腫脹、疼痛が強いため数種類の鎮痛剤の使用が早期回復に有用です。

基礎疾患について

糖尿病、高血圧のある方は術前にコントロールをお願いいたします。糖尿病が基礎疾患にある方は術前にヘモグロビンA1Cを7%以下にコントロールして頂く必要があります。血液がサラサラになる抗血栓薬を飲まれている方は術前に休薬をして頂く必要がある場合があります。

その他基礎疾患のある方はお申し出ください。当院は整形外科単科クリニックとなっており重い基礎疾患のある方(重度の心臓病、重度の糖尿病、重度の腎不全、重度の肝疾患など)は当院での手術が困難な場合があります。

脚長差について

股関節が悪い方の脚の長さが短いことが一般的であり手術後両脚の長さがそろうことが一般的です。
しかしながら時に手術後脚の長さが反対側より長くなることがあります。

医院紹介

大橋・谷 整形外科は
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